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キャッシング、お金についての考察

バブルが弾けて以来日本の企業の資金需要は確実に低下して行きました。
優良企業への銀行間同士の金利引き下げ競争は熾烈を極めて来た為、
銀行は収益の機会を求めて個人ローンに多くの経営資源の軸足を移して来ました。
優良企業への融資が僅か数%なのに比べて、個人ローンは10%以上の金利が見込め
高い利息収入が期待できたからです。

それに対して消費者金融は、いわゆるグレーゾーン金利が違法であるとの判断を受けた時から
一貫して過払い金請求に苦しめられてきました。
過去に融資して回収した利息を遡って返還するという、
過払い金請求は消費者金融からすれば最悪の環境なのです。
更に追い打ちをかけたのが、平成22年6月に完全施行された貸金業法の改正です。
貸金業法の改正に伴い、消費者金融が行う個人向けの
無担保融資の合計金額に上限が設定されたのです。

更には信用情報機関の厳格な適用や、一定金額以上の融資申込人への
収入証明書の義務付け等が制定されました。
その結果、平成18年3月末には14,000先以上いた貸金業者も、
平成26年3月末には2,000先に減少。更には平成18年には18兆円あった
消費者金融業者の個人への貸付金額も、平成26年3月には6兆円に激減しているのです。
その減少した融資金額の受け皿を主として、
銀行系のキャッシングはその市場を増やして行ったのです。

<激化する消費者金融系と銀行系キャッシング市場>

消費者金融系と銀行系の個人ローン市場の競争は激化し続けています。
今迄は消費者金融系しか行う事がないと思われた、
30日間利息が0円となる「無利息融資サービス」や、
融資したその日に融資金を受け取る事が出来る「即日キャッシング」等も
今では一部の銀行でも行われている事です。申し込みという最初の段階から契約という
最後の段階まで窓口に行かずにして、webのみで契約が完結出来るローンさえも
今では銀行で取り扱われていてます。
それらの事は一昔前の銀行では、とうてい考えられなかった事です。
消費者金融系と銀行系のキャッシングの境界は、今では殆ど無くなってきていると言えます。

<発想を変えてみて・・・>

お金を借りると言う行為はなにも悪い事ではありません。
持ち家の人の殆どが住宅ローンを借りているし、無借金企業もある事はありますが
そう多くはなく寧ろ異例的です。よく考えなければいけない問題は、その適用金利です。

借入する時に適用される金利には幾つかの法則があります。
一つは信用状況です。信用状況が悪い人は高い金利が適用され、
逆に高い信用力を誇っている人には低い金利が適用されます。
もう一つは住宅を取得する為等の、何か目的を達成する為の借入は金利が安くされます。
逆に目的が特定されていない借入は、そうでない借入に比べて金利が高く設定されます。
理由は信用力が低い人や、無目的のローンはそうでないローンと比べて、
過去のデータによりフォルト率が高いからです。その事から考えた場合は、
もし車の購入等何か特定の使い道が決まっている借入であるならば、
多少手続きが煩雑だとしてもその使い道に合わせたローンを借りるべきなのです。

発想を変えて銀行や消費者金融から融資を受けて利息を付けて返済するばかりでなく、
人に融資をしてみると考えて見るのはどうでしょうか?
貸金業を始めたりとか、直接的に誰かに融資をするとかではなくて、
消費者金融業者の株を買うという話です。大手消費者金融A社の株価は、
今現在(平成27年8月)の時点で1株601円です。
この会社の株式の最低取引株式数は100株単位ですので、
今現在では601円×100株=60,100円の資金があれば、
この大手消費者金融業者の株主になる事が出来るのです。

この会社は大手銀行が大株主となっているので信用力は抜群です(あくまで個人の意見です)。
この会社の株主になるという事は、その出資した資金が回り回って
個人の小口融資金になるという事です。
(但し残念ながらこの会社はここ数年配当は出していませんし、
今後株式が値上がりする保証はどこにもありません。)

<キャッシングと資本主義社会の本質>

1万円札を作るのにいくらかかるのか考えた事があるでしょうか?
1万円札の原価は約22円だそうです。つまり特殊な機械や技術は必要ですが
22円あれば1万円札を作る事が出来るのです。
我々はこの僅か22円で出来た紙切れを得る為に汗を流して働いたり、
不毛な争い事を行っていたりするのです。アベノミクスの登場で、
お金の価値はいとも簡単に人為的に毀損させる事が出来ると立証されました。
それが金やダイヤモンド等の資産と単なる紙で出来た紙幣との違いの本質です。

筆者は以前金融業を営む高齢の経営者からこんな事を言われた事があります。
「○○君、お金というものは寂しがり屋なんだ」。
その時は只笑ってその場を過ごしただけでしたが、二十数年間経った今でも覚えている言葉です。
今現在銀行の預金金利は年利0.025%です。100万円預けたら1年後に受け取る利息は250円です。
しかし100億円のお金を預けたら250万円の利息を受け取れるのです。

考え方は反対の借入をする時も同じ事が言えます。現在の資本主義経済の下では、
お金は集まる所には沢山集まり、出て行く所からは沢山出て行く
という様な仕組みとなっているのです。
繰り返しますが、決して借入をする事が悪いと言っている訳ではありません。
どうしても現金が必要となった為借入をして、その場を凌がないといけない場面は、
人生においていくらでもあります。
銀行が融資してくれなかった資金を、消費者金融が融資してくれて、
大袈裟では無くて本当に命拾いして助かったという話も何度も聞いた事があります。
しかし何度も繰り返し無秩序に融資を受けたり、計画性の無い借入を繰り返して行く事で、
手許のお金は同類を求めて出て行ってしまうし、とても危険な事であると認識したいのです。